2024-プレビュー&レビュー

名古屋演奏家ソサエティー
1/14(土)VIVA! Opera 三部作 
「箱入り女房」・「身替り座禅」・「冥途の飛脚」
12:30
15(日)冥途の飛脚 忠兵衛役15:30
作曲 森 彩音 指揮 中村友哉 演出 淵本晴都子 
ピアノ 北川義晃 電子オルガン 前田絢葉
名古屋能楽堂
入場料 5,000円

・・・終了 随分久しぶりに能楽堂で歌いました。

響きが良くとても歌いやすい場所でした。今回は3本立てオペラでした。

「箱入り女房」と「身替り座禅」は楽しい作品ですが、最後の「冥途の飛脚」は心中物で一転シリアスな作品で、私は忠兵衛を演じました。

3作とも森彩音さんの曲ですが、奇をてらわず劇の内容をよく表現したドラマチックで素晴らしい作品でした。

私は以前「閻魔街道夢ん中」の劇中劇のような形で新口村の心中シーンで忠兵衛を演じたのですが、今回はこの心中の前の部分が新たに作曲されて親をも巻き込んだ劇的な作品に仕上がりました。

自分としてはとても充実して演じられましたが、後の評判が自分で思ったより大変高く、方々から絶賛されました。本当に嬉しいことです。

この年齢になってオペラで主役を歌えることは本当に有り難いことだと思います。

1/27(土)i cantanti重唱勉強会にしび創造センター ドレミホール

・・・終了 今年はコロナ禍が終わったので4年振りに、にしび創造センターで重唱勉強会を開くことができました。

たくさんのお客様が来てくださった中、受験生はしっかり歌ってくれましたし、重唱の人      たちも日頃の力をしっかり発揮してくれてとてもいい勉強会になりました。

名古屋二期会
3/9(土)源氏物語 月の影18:00
10(日)光源氏 役11:30
作曲 尾上和彦 指揮 倉知竜也 演出 右来佐往 
 入場料 5,000円(全自由席)名古屋市芸術創造センター

・・・終了 想像以上に評判がよくて本当にとても嬉しいです!

このオペラは歌い手にとって大変難しい作品でした。ソルフェージュ(音感)能力が拙い者には、どうやって正しい音で歌い出せるのか、どのリズムで歌わなければならないかという大変初歩的な問題でつまづいてしまって、この作品を本当に歌えるのか、まして暗譜ができるのかというまるで真っ暗闇にいるような不安しかないところから練習が始まりました。ピアニスト(コレペティ)の方に丁寧に教えていただいたり、それを録音して何度も何度も聞いて何度も何度も歌って練習している内に、少しずつ音が自分の中に入ってくるのを感じました。こんなに練習し、こんなに楽譜と睨めっこしたオペラは初めてでした。今回の出演者はきっと皆そうであったのではないでしょうか。

そして、やっとうろ覚えになった頃立ち稽古が始まりました。すると早速演出の右来さんからは登場人物の気持ちをしっかり表現しろという当たり前ですが厳しい指導が入りました。皆、音程もリズムもまだ不安なのにいきなりの高い次元の要求にほとんどの出演者がパニックになったと思います。指揮の倉知さんからも音楽的な要求がどんどん出されました。そこで皆はハタと自分がこの現状にいてはダメなんだ、お二人の指導者が目指している素晴らしい作品の仕上がりを、自分も死に物狂いで目指していかなければならないんだという覚悟ができてきたと思います。自分の音を取るので精一杯だったのが、立ち稽古を重ねて行く中で少しずつ周りの音に気付き慣れていって、登場人物の心と音楽とが自分の中で融合していくのを感じることができてきたのではと思います。

私はそんな稽古がとても楽しかったです。一つの作品に身体を張ってぶつかっていく雰囲気が稽古場の中で生まれチームワークが育まれてきたように感じたからです。本番は楽しくできました。ただ一日目は5箇所ぐらい歌詞を作って歌ってしまいました。字幕がなければお客様にも気付かれなかったと思いますが、あまりに堂々と歌うので字幕が間違っていると思ったお客様もいらしたようです、二日目は調子よく歌っていたのですが、最後のアリアまで喉がもたなかったことがとても残念でした。自分の出来はとてもいいものとは言えませんがこの難しい作品を最後までやり通せたことがとても嬉しいです。また家内と一緒に舞台に立てたのも本当に嬉しいです。

とても渋い玄人好みの作品だったのでお客様の反応が心配でしたが、音楽で人物の気持ちがよく表現されていたとか、全員の歌や演技が素晴らしくて感動したとか、初めて見たオペラだけど感動したとか、光源氏は本当にひどい男だとか、六条御息所の怨念がいつまでも心に残ったとか、物語に入り込んでくださった方が多かったようで本当にこの作品に参加して良かったと思いました。

タイトルとURLをコピーしました