2005年コンサートレビュー
2021.05.07
1/30(日) 豊田オペラグルッポ第7回公演
喜歌劇「こうもり」 演奏会形式(ドイツ語)アイゼンシュタイン役
アイゼンシュタイン 井原義則 ロザリンデ 村松圭子・堀山公子
アデーレ 小野田普巳子・澤田幸子 ファルケ博士 松下伸也
オルロフスキー公爵 石川真弓 フランク 早川達志
アルフレード 永井秀司 ブリント博士 山森孝彦
イーダ 小野田普巳子 フロッシュ 稲本吉英
指揮 新通英洋 構成・演出 井原義則 センチュリー室内管弦楽団 豊田オペラグルッポ合唱団
入場料 指定席 3500円 自由席 3000円
<14:00 豊田市コンサートホール>
・・・終了 今年最初の本番でしたが、新しい年明けを飾るにふさわしい素晴らしいコンサートになりました。
指揮の新通英洋氏は、最後まで大変ねばり強く全体の指導をされ、その姿勢に感銘を受けました。
演奏会形式で、オーケストラが舞台に乗り、歌い手がその前で歌ったので、モニターの指揮を見な
がらの演奏となりました。指揮者には大変申し訳なかったと思います。
全体には、出演者がみな大変積極的にこのコンサートに関わってくれて、いい雰囲気でできたと
思います。演奏会形式と歌いながらも衣装もつけ、セリフも録音ながら入り、簡単な演技も行った
ので、全体の筋も分かっていただけたと思います。また、休憩中にもロビーでファルケ博士・
オルロフスキー公爵・フランク・アイゼンシュタインが楽しく歌い、合唱も駆けつけて皆で乾杯の
歌も歌ったりで、大変盛り上がりました。演奏会形式は練習の過程であれもこれもとやりたくなる
もので、それをし出すと、大変中途半端なものになることが多いのですが、そうはならずに、いい
ところで収まったのではないかと思います。また、一杯のお客様で嬉しかったです。
3/21(祝) 第5回ふれあいコンサート
マッティナータ、忘れな草、パリを離れて、メリーウィドウワルツ、乾杯の歌
(S)馬場浩子 (Pf)野口亜也子
<18:30 四日市市文化会館 第2ホール>
・・・終了 調子よく歌わせてもらうことができました。ただ調子に乗って頑張り過ぎたきらいがあって、
最後は少しくたびれてしまいました。馬場さんとはこれで3度目になると思いますが、過去
2回は私のコンディションを整えることができなくて迷惑をかけましたが、3度目の正直で
一緒に楽しく歌うことができたので、ホッとしました。
3/23(水) 中部レンダースセンター サロンコンサート
イタリア古典歌曲 O bellissimi capelli Amarilli
二重唱 Ahi, sciocco mondo Fanciuletta ritrosetta
ベッリーニ Almen se non possユio Vagha luna che inargenti
Bella Nice Per pieta bell'idol mio
ドビュッシー 忘れられし小唄 より そはやるせなき グリーン(井原妙子)
ラヴェル 五つのギリシャ民謡(井原妙子)
トスティ La serenata Aprile Tormento Rosa
デ・クルティス Non ti scordar di me
レオンカヴァルロ Mattinata
チマーラ Stornella della marinala
ロッシーニ Serenata(二重唱)
ピアノ 岡戸弘美
< 18:30 名古屋LCビル>
・・・終了 4回目となるこのコンサートで初めてイタリア物ばかりを歌いました。とてもたくさん曲目が
あったので、最後までモツか心配だったのですが、大変調子よくいきました。お客様もとても
があって、最後はすこしノドがくたびれました。まだまだ青いなと思います。
トスティの「四月」は本番でうまく歌えたことがなく、今日こそはと思ったのですが、歌詞を
間違えてしまって、リベンジできずに終わったのが残念です。
3/27(日) セントレディースクリニック コンサート
この道 待ちぼうけ からたちの花 椰子の実 ちんちん千鳥
セレナータ 四月 朝の歌 忘れな草 セレナータ(二重唱) パリを離れて(二重唱)
S 井原妙子 ピアノ 岡戸弘美
< 13:00 セントレディースクリニック(知立市)>
・・・終了 春休みということもあって、大変声の調子がよく、とても気持ちよく思い切り歌えました。
産婦人科のロビーでのコンサートでしたが、50名ほどのお客さんで一杯になり、皆さんとても
集中して、楽しそうに聴いてくださったのでとても充実した気持ちになれました。トスティの
「四月」もやっとしっかり歌えました。終了後、院長の作井先生と藤田保健衛生大名誉教授
福島先生とお蕎麦を食べましたが、福島先生の音楽のお話がとても面白く、あっという間に
時間が過ぎてしまいました。このコンサートのお世話をいただいた小林さんと、上記のお二人に
井原さんちのコンサートのCD(3枚組)を差し上げようと、今日に間に合うように作りあげました。
もし、これを読んで下さっていて興味をもって下さる方があれば、それを差し上げようと思います。
メールに住所を書いていただければお送りします。
4/23(土) 山口雅子後援会 第三回コンサート
待ちぼうけ ラ・セレナータ
オペラ民吉より「やきものづくりの技・工夫」「この胸のときめきは」
S 山口雅子 ピアノ 若杉弘子
< 14:00 せとしん エンゼルホール>
・・・終了 リハーサルの山口雅子さんの歌を聴いていて、本当にいい歌を歌われるなと思いました。
リハーサルで力を抜かず全曲歌って、本番も完璧なすばらしい歌でした。疲れない声は本当にうら
やましいと思います。私はコンディション作りがイマイチでした。しかしお客様はとても喜んで
くださって、握手攻めにあいました。びっくりしました。また、今度の「井原さんちのコンサート」
の招待券もすぐ全部なくなってしまいました。気持ちのいい音楽会でした。
5/21(土) 井原さんちのコンサートVol.5
美しき水車小屋の娘 全曲(シューベルト)
ピアノ 宮田俊雄
< 14:00 名東文化小劇場 >
・・・終了 このシリーズの一つの目標であった「美しき水車小屋の娘」を歌うことができて、とても嬉しく
思います。風邪が残り、気管支炎となって、咳が出てしまってここのところなかなか十分な練習が
できませんでしたが、この曲は昨年5月のVol.4の次の日から暗譜を始めたので、珍しく暗譜の
不安はほとんどありませんでした。今朝は声が、わりと調子よく、咳も少ししか出なかったので、
お客様の前に出るのがとても楽しく感じました。今週の前半は本番までに風邪が治るか不安でしかたが
なかったからです。特に今日はこのシリーズ最高の300名ほどのお客様がいらっしゃったので、
その喜びは一段と大きいものでした。いただいた感想もいいものばかりで大きな充実感を感じました。
名東文化小劇場は、歌にとってはとてもいい響きがすると思います。歌っている方も聴いている方も
気持ちがいいのではないでしょうか。絶好調とはいかなかったので高音がうまくいきませんでしたが、
シューベルトの歌曲の雰囲気は出たのではないかと思います。泣いて頂いた方も何人かいらっしゃった
ようでした。また、三重県のある巨匠から、久々のしっかりしたリサイタルを聴いたような気がする
とお褒めの言葉をいただきました。このシリーズの一つの締めくくりだと思いますので、また、
次へ向かって頑張りたいと思います。
5/22(日) 名古屋のオペラ界を彩る8人の歌い手たち
~太陽のように 花のように~
落葉松 と 司会 他の出演者、中須賀悦子、松波千津子、水谷朋子、山口雅子
大野憲一、鳴海卓、水谷和樹、
<17:00 しらかわホール>
・・・終了 昨年に続いてのコンサートでした。まだ咳が出る中うまく司会ができるか心配でしたが、舞台に立つと
不思議と咳が止まりました。舞台袖ではコホコホやっているのにです。有り難いと思いました。
最近、司会など、舞台でおしゃべりをすることが増えてきました。以前は多くのお客様の前で話すことは
とても緊張して苦手でしたが、何度もやっていると、不思議と慣れてくるものですね。最近は緊張する
こともなく、話せるようになってきました。落葉松は万全とは言えませんがなんとか歌えたと思います。
他の出演者は、皆素晴らしい歌を歌われました。お客様も喜んで下さったようで、司会も評判でした。
打ち上げもとても楽しかったです。
8/15(月) オペラ「民吉」作曲 倉知竜也 台本 高橋和島・岩川均
民吉役
音楽監督・指揮 古谷誠一 演出 岩川均
民吉 井原義則 お涼 山口雅子 仁左衛門 川口豊 代官 滝沢博 他
<15:00 18:30 万博会場 EXPOホール>
・・・終了 万博は大好きでもう6回も遊びに行ったのですが、今回はEXPOホールで公演する側になりました。
この日はキリバス共和国のナショナルデーで、午前中その関係の公演がEXPOホールで行われたので、
午後1時半に会場にやっと入ることができ、午後3時から本番。場当たり稽古もできないという
普段の公演では考えられないような強行軍でしたが、スタッフ・キャストとも整然と実に立派に行ったなと
感心しました。お客様は一杯で、とても集中して鑑賞していただいたように感じました。
民吉役はほとんど出ずっぱりで、セリフも歌もとてもたくさんあって、声が2公演持つか心配でしたが、
なんとか無事に最後まで歌うことができました。夜の公演は気持ちが入って、舞台で3回も涙を流して
しまいましたが、お涼との別れのシーンでは、多くのお客様がハンカチを目に当ててらっしゃったので、
とてもうまくいったのだなと嬉しく思いました。今回は、このような状況だったので、ピアノとシンセの
伴奏、大道具なし、衣装メイクも簡易、合唱はオケピットに入って歌うというものでしたが、9月の
本公演へ向けて、とてもいい経験になったと思います。また、取材に来た中日新聞の記者が中1の時に
担任をした生徒だったので驚きました。翌日の朝刊に後記事を書いてもらったことも嬉しいことでした。
8/28(日) ゆめコンサート(愛地球博とよたサテライト事業)
チェロの森
<15:00 豊田市コンサートホール>
・・・終了 昨年初めてこのチェロオーケストラの演奏会に出演させてもらったのですが、独特の重厚な響きと
うっとりするようなハーモニーが、舞台に立っている出演者も魅了したのではと思います。
満員のお客様で、気持ちよく歌いました。高崎真介氏の作曲、指揮、脚本によって、幻想的な
チェロの森ができあがりました。また高名な林峰男氏のチェロは、聴く者を思わず引きつけるような
重厚さと温かさがあって感動しました。本番後、民吉の練習があったので、打ち上げに出られなかった
ことが残念でした。
9/ 3(土) オペラ「民吉」作曲 倉知竜也 台本 高橋和島・岩川均
4(日) 民吉役
音楽監督・指揮 古谷誠一 演出 岩川均 中部日本交響楽団
民吉 井原義則 お涼 山口雅子 仁左衛門 川口豊 代官 滝沢博 他
入場料 前売り2500円 当日 3000円
<3日16:00 4日14:00瀬戸市文化センター大ホール>
・・・終了 パソコンの調子が悪くて、しばらくホームページを更新できませんでした。すみません。
両日とも満員のお客様で、とても気持ちよく歌えました。「織部焼き文様」と並んで、私の声に合わせて
作曲していただいたので、私のいいところを倉知さんがうまく引き出して下さっていると思います。
山口雅子さんとは「織部焼き文様」と同じように、結ばれない役どころですが、気心も知れているので、
情感が良く出たのではと思います。別れのシーンなどはお客様だけてなく、合唱の方も泣いてくださった
ようです。今回のオペラは、実行委員長の宮崎嘉男さんがご自分のネットワークを駆使して、多くの方々の
ご協力を得、日本舞踊や、和太鼓、尺八に琴といった様々な芸能の折り混ざった、楽しみの多いオペラに
仕上げられました。オペラをやると、本当に一人の力ではできないな、キャスト・スタッフ・音楽スタッフ
など、他にも様々な人たちが、心を捧げて初めてできるのだなと、いつも改めて思います。
瀬戸でこんな本格的なオペラができるとは・・と多くの方が思われたようです。瀬戸の方々の熱い思いが
このオペラを大成功に導いたと思います。このような企画に参加できて、とても光栄でした。
「織部焼き文様」は3月に9回目を行いますが、この「民吉」も何度も再演されるオペラになることを
祈っています。
9/11(日) パティオシアター合唱団演奏会
第九を歌う
第九交響曲(ベートーヴェン)ソロ
ピアノ、合唱と管弦楽のための幻想曲 ハ短調
指揮 円光寺雅彦 名古屋フィルハーモニー交響楽団
S 小林史子 A 矢田育代 Br 末吉利行 名古屋フィルハーモニー交響楽団
<16:00 知立市文化会館かきつばたホール>
・・・終了 久々の第九でした。数年前に小林さん末吉さんとは、ウクライナで第九を歌いました。今回もみな、
いい声で歌えたと思います。アンサンブルがとてもよかったと多くの方から評価をいただきました。
名フィルとも随分久しぶりでした。指揮の円光寺さんの本番での指揮ぶりは、本当に情熱的で、
すべての演奏者からエモーションを引き出すような素晴らしい指揮で、名フィルも名演奏をした
と思います。その様子を舞台上で見ていてなんだかとても嬉しくなり、思わずニコニコ歌いました。
とても気持ちのいい演奏だったと思います。大満足でした。
10/22(土) 反核日本の音楽家たち
ほうすけのひよこ ピアノ 岡戸弘美
<14:00 千種文化小劇場>
・・・終了 洞谷吉男先生に誘われて出演したコンサートでした。先生はもうそろそろ喜寿のころと思いますが、
相変わらずとてもお元気で、歌声も生徒が言うのも僭越ですがとてもしっかりしていて、こうなり
たいものだと思いました。響きのよくない会場でと思っていたのですが、中央の舞台を30センチ
下げると、いい響きになり、満員のお客様の前で、調子も良く気持ちよく歌えました。
12/17(土) 山口雅子後援会第四回コンサート
オペラ「民吉」より アリア「はるかな西の国」
二重唱「この胸のときめきは」「白い帆掛け船に乗って」
「あなたのことは 心の奥に秘めましょう」
オペラ「織部焼き文様」より二重唱「ふるさとが呼んでいる」
あこがれのハワイ航路、月がとっても青いから、アヴェマリア、ホワイトクリスマス、
クリスマスメドレー、ふるさと
<14:00 せとしん エンゼルホール>
・・・終了 風邪を引いてしまったのでとても心配でしたが、なんとか治りかけでまずまずの声が出ました。
織部の解説もしたのですが、案外スムーズに言葉ができてきて、それもホッとしました。
山口さんもとても調子よく、美しく歌われ、たくさん入ってくださったお客様も大変満足された
様子でした。後半はいわゆる「ラジオ歌謡」を歌ったのですが、年配のお客様が多かったせいか、
とても喜んでいただきました。ちょっと歌謡歌手になった気分でした。
12/25(日) Sunday Museum Concert 豊田オペラグルッポ
セレナータ(トスティ)、セレナータ(2重唱ロッシーニ)、
朝の歌(レオンカヴァルロ)、忘れな草(ディ・クルティス)、乾杯の歌(ヴェルディ椿姫)
<14:00 産業技術記念館ロビー>
・・・終了 一年ぶりのコンサートでした。ロビーでのコンサートでしたが、お客様が一杯でとても響きが
よく、大変気持ちよく歌えました。グルッポのアンサンブルもとてもきれいなハーモニーで
聞いていて気持ちよく聞けました。
12/25(日) maki presents Xmas Dinner Concert クリスマスディナーコンサート
もろびとこぞりて、荒野のはてに、きよしこの夜、オーソレミオ、エーデルワイス、
見上げてごらん夜の星を、乾杯の歌、トゥナイト、織部の嘆きのアリア、
メリーウィドゥワルツ、ホワイトクリスマス、
<17:00 全日空グランコート名古屋ホテル>
・・・終了 自分の歌う箇所が終わり、産業技術記念館のコンサートがまだ続いている途中で中座し、
タクシーに乗って金山へ向かうとき、なんだか芸能人になったような気がしました。
リハーサルに駆けつけたとき大変驚いたのは、すべてマイクで歌うことになっていて、
いわゆる、典型的なディナーショーだったことでした。しかし、少し疲れた喉には
マイク越しということで大分助かりました。リハーサルは私の箇所だけが残っていて
それをやったのですが、本番で通してみると、実に素晴らしいディナーショーだったと
思いました。これはひとえに下垣真希さんのパワーや構成力、歌唱力、そして、お客様に
充分楽しんでいただこうという強い思いの表れで、私自身も舌を巻き、感動しました。
ピアノの北川さんやヴァイオリンの崎山さんも素晴らしい音楽家で、とても充実した
いいひとときになりました。今年をいい形で締めくくることができて満足です。
今年を振り返って・・・
今年はやはり担任を持ち、思った通り演奏会が随分減ってしまいました。
しかし、「こうもり」や「美しき水車小屋の娘」も歌うことができました。
夏には「美しき水車小屋の娘」の録音もできて、音楽的には充実していたのではないかと
思っています。オペラ「民吉」も「織部」につづいて私の声を念頭に置いて作っていただいた
曲なので、万博・瀬戸での公演の大成功とともに、今年の大変大きな出来事でした。
「織部」はまた練習に入っていますが、御器所という場所に住んでいることもあって、
なんだか、焼き物(器)に縁があるなと思いました。
また、9月に歌った「第九」も気持ちよく歌え、とても嬉しく思いました。
いよいよ来年春には全くのフリーになりますが、声のいい時期をなるべく長く保って、
みなさんに喜んでいただける歌をどんどん歌って、いい年にしたいと思います。
読んでくださった皆様にとっても、来年がいい年でありますように・・・。